学問系読書レビュー
珍しく学問系(?)の本をレビューします。一応学生なのでたくさんの学術書を読んでいるわけですが、専門以外はこうして一般用に書かれた本を読むことも多いです。
『「なるほど!」とわかる マンガはじめての嘘の心理学 [マンガ心理学シリーズ]』(ゆうきゆう 著)
テレビでメンタリストのDaiGoが、人の細かい仕草からガンガン心理に迫っていくのを目の当たりにしてすごいなぁと思い、チョイスしました。もちろん、なんでもお見通しの神になれる学問でないことくらいはわかっているのですが、それでも久しぶりにワクワクしたので。
人の心はそんなに単純ではないけれど、ある程度の見極めができると、人を観察するのが面白くなると思います。そのヒントがたくさん載っていて読み物として面白い本でした。
『武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50』(山口 周 著)
結構時間かけてじっくり読みました。
これまで大して哲学を勉強してこなかった私でも、哲学を学ぶ意味や、これまでの自分の学びとの有機的な繋がりが感じられて、抵抗なく哲学の世界に入り込めるような感覚でした。
私のように、哲学に興味がありながらも挫折を繰り返してきた人はたくさんいるのではないでしょうか。この本の中では、どうして挫折してしまうのかという問いが導入としてあって、実に私という読者に寄り添ってくれているように感じました。
以下、いくつか印象に残ったポイントを備忘録として。
・近年、企業というゲゼルシャフト的な共同体が、村のようなゲマインシャフト的な性格をもつようになってきているので、結局はテンニースの言うようなゲゼルシャフトにはなっていない。
・アリストテレス「妬みを抱くのは 、自分と同じか 、同じだと思える者がいる人々である 。ところで 、同じ人と私が言うのは 、家系や血縁関係や年配 、人柄 、世評 、財産などの面で同じような人のことである 。」
・中国の捕虜となった米軍人が共産党に洗脳されていった話。事実と感情に矛盾が生じた場合、とった行動はなかったことにはできないので、意識を変えるようになる。
・報酬では創造性は上がらない。
・「地理的な空間 、あるいは歴史的な時間の広がりを持った人であればあるほど 、目の前の状況を相対化してみることができるようになる」。
そうそう、私はよく海外旅行に行くのですが、経験や知っていることが増えれば増えるほど、状況判断が的確になって、生きやすくなると思います。それはたとえば読書でも代替されうると思うし、方法は無限にあります。私はいろんな方法でインプットするのが楽しいし、とにかく知の武器を身につけ続けなければいけないと思っています。