カナダのプライドパレード体験記ーカナダと日本の「性」の話ー
前回のブログでは、ホモネタやLGBT当事者との出会いについて書きました。
「じゃあ、ほかの国ではどうなっているの?」ということで、今回は様々なアイデンティティを大切にする国、カナダの事情をご紹介します。
カナダの多様性
移民の国としても知られるカナダは、「モザイク社会」と呼ばれていることからも分かるように、様々なアイデンティティを大切にしています。ということはつまり、それによって差別されることもないのです。
たとえば、履歴書に性別を書かせるのは禁止ですし、それが分かる顔写真も載せません。また、生年月日や結婚をしているかどうか、子供がいるかどうかを聞くのも違法です。その本人がその仕事に相応しいかどうかだけが判断基準です。
そんなカナダですから、もちろん性的マイノリティも差別の対象にはなりません。私はカナダのバンクーバーに約1年間留学していたのですが、その期間に「プライドパレード」にボランティアとして参加する機会がありました。以下では、そのときに感じたことをシェアします。
カナダのプライドパレード
プライドパレードとは、LGBTの文化を称えるためのお祭りです。パレード当日、私は構成員の一人として、象徴的なレインボーの旗をもって、街中を練り歩きました。
ちなみにこのレインボーフラッグ、実は色が6色なんです。レインボーは色とりどりで多様の象徴的な意味で、本来は8色にする予定だったそうですが、大量に生産するには技術的に6色が限界だったのだとか。
カナダのLGBT
パレードに参加する前、私はこういうトピックに熱狂的な人がいる一方、嫌悪の対象とされることがあるのは当然だと思っていました。
しかし、パレードに参加した感触では、ほとんどの人がとても楽しんでいるようでした。休みになる店もあるほど、当日は街全体がお祭りにムードなのです。当事者も、そうでない人も、家族連れも、みんな揃って沿道で歌を歌ったり踊ったりしてパレードを楽しみます。
私は、カナダはあなたをありのままで受け入れてくれる国だと思います。性別も性的指向も性自認も。もちろん、「性」に限らず民族的背景や宗教について、誰かからあれこれ言われることもありません。
ちなみにこんなハピネスな国なので、留学をしているとだんだんと素の自分になっていきます。私の場合、メイクをしなくなる→服に無頓着になる→体型を気にしなくなる→(以下、ご想像にお任せ下します😭)
ということで、女子力も何もあったものではありません。カナダ留学の悲惨さはこの動画が十二分に表してくれているのでご覧下さい。
「アライ」ってなんだ?
だいぶ脱線してしまいました。話を「性」に戻すと、私はセクシュアルマイノリティの当事者ではなく、アライという立場をとっています。
アライというのは、広義の意味でセクシュアルマイノリティの人々を理解し、応援する立場のことです。私はこの分野を専門にしているわけではないので、完全に理解しきっているわけではないですが、これからも時間をけて理解していきたいと思っているし、苦しんでいる人の力になるようにサポートしたいと思っています。
日本の性教育
日本では、「性」についての教育が遅れていると言われています。実際、ギャグや商用の「商品」として消費の対象とされる機会が多く、そこから間違った知識や歪んだ考えをもちやすい環境です。
終わりに
しかし、今ここまで読んでくれたあなたは、もう「知らなかった」では言い逃れできませんよ(笑)。すぐには難しくても、ぜひ、いろんな「性」のあり方を受け入れる気持ちを一緒に作っていきましょう。いきなり考えを180度変えてくれとは言いません。頭の片隅に置いて、何かの機会にふと思い出してくれたら幸いです。